君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「王子、姫さんの事って思ってたよりも噂が広まっているみたいだ」
---フローラの噂?
「どういう事だ」
「ニコルも姫さんが精霊使いだって知ってる」
ニコルを見れば「うん、知ってるよ」と軽く返ってきた。
フローラの血の事ではなく、精霊使いなのを知られているのか?
取り敢えずニコルが密偵かどうかわかっていない以上、フローラの詳しい話はしたくない。
「ニコル、右手を出せ」
「え、右手?」
不思議そうにしながらも右手を差し出してきた。
その人差し指の先と自分の人差し指を向かい合わせ魔法陣を模る。
・・・ヴゥ・・--ン
『我が手に宿りし力 彼の者と盟約を結び 真の言葉を示せ』
俺の人差し指の先の魔法陣から光が現れてニコルの人差し指に吸い込まれて行く。
「な、何したの?」
顔を引き攣らせているニコル。
「この城には密偵が居るらしくてな。フローラが来てからこの城に入った奴、全てを対象に調べている」
「えっ、それで僕に魔法掛けたの?酷くない?密偵って・・・僕、一応は王子なんだけど?」
「お前も例外ではない」