君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「君は酷いと思わないかい?ヴァイス」
ヴァイスに同意を求めたが
「いやぁ・・・姫さんに近付くお前を見てたら怪しさ満載だったけど?」
呆れた顔で返されると前髪をかきあげて困った顔をする。
「フローラちゃんの事はパール達に女神のような美しさだって聞いてたからさ。どうしても見てみたかったんだよね。実際に会ったら本当に綺麗で一目惚れしちゃったし」
聞き捨てならない言葉を聞いた。
今、ニコルに掛けているのは嘘偽りなく真実のみを話す魔法だ。
「・・・・」
---一目惚れだと?
「・・・一目惚れ?」
ヴァイスが俺を見て顔面蒼白になった後にニコルを凝視して言葉を吐いた。
「うん。もう、僕の理想そのものだよ!」
---やっぱりコイツには近付けられねぇ・・・
「おい、ニコルっ!お前、血迷うなよっ!?」
ヴァイスがニコルの胸倉に掴み掛かるが
「ん?何の事かな?」
それを軽く受け流すニコル。
しらばっくれているコイツを見ているとイライラしてくる。
ニコルの胸倉を掴んでいたヴァイスがビクッと体を震わせて俺を見た。
まるで生気を失った顔をしたヴァイスに、つられるように俺を見たニコルは涼しげだった顔を一変させて同じような顔をする。