君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
男が振り下ろした刀を受け止めた・・・はずなのに
俺の体をすり抜けてフローラに切り掛かった。
---なっ!?
「――――っっつぅ・・・!!!」
男が握っている剣はフローラの右腕に深く突き刺さっていた。
「っ・・・フローラ!!」
フローラに触れようとした手は何度も試したが、すり抜けていく・・・
「――――これは・・・」
俺は、夢を見ているのか・・・?
自分の手を見つめて考えていると・・・・・
男はローブを取って屈んだ。
その、男には見覚えがあった。
真っ赤な短髪に鋭い闇色の瞳・・・
フローラを生け捕りにしようとしていた闇の術者だった。
---これは、フローラの過去にあった出来事なのか?
「あんま、手間掛けさせるんじゃねぇよ?」
フローラの髪の毛を鷲掴みにして持ち上げた。
「いっ・・・!!」
痛みに顔を歪めるフローラを見ている事しかできない自分がもどかしい。
握り締めた掌に爪が食い込んだ。
「ふーん、顔は最高に好みなのに・・・勿体無ぇなぁ?」
そう言って、剣を引き抜くと
「顔は人間のふりしてるが、体の方はどうなんだ?」
その剣先をフローラの服へと引っ掛けた。