君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「とても良さそうですね・・・ふむ。ロック様、何か良い事でもございましたか?」
---何で、ルイスまでコイツと同じ事を聞くんだよ。
「別に、何もない」
いつかのデジャヴか?
この後の遣り取りが、手に取るようにわかってしまうのは気のせいだろうか・・・
「それにしては、ここ最近にはないほど体調が良いように窺えますが・・・」
ルイスの答えに確信を得たのか、その隣にいるヴァイスがニヤリと口角を上げたのが見えた。
---また、だ・・・
「わかっちゃった~!! あれでしょ? お気に入りの焼き菓子の女!!」
いつの頃からか、焼き菓子の女呼ばわりされているフローラ。
コイツに彼女の名前を教えなくて良かったと心底思う。
教えていたら・・・きっと今頃、大陸中を探しているに違いない。
「やっと、王子様が動いたか~」
ニシシッ・・・と口元に手を当てながら、ルイスと顔を見合わせているヴァイス。
この先の流れがわかってしまった俺は、二人の前を素通りして部屋を出た。