君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
今日の王子の機嫌ねぇ・・・
「心身ともに充実してるから機嫌は良いんじゃねぇの?」
さっきの様子を見れば悪くはない筈。
「はぁ・・・僕、寿命が縮まっちゃうよ」
げんなりした顔をしたニコル
「俺一人に、その役を押し付けるんじゃねぇよ!死なば諸共だ」
ある意味、開き直って二人で王子の部屋の前に立つ。
深呼吸をしてからノックする。
・・・コンコン
「王子~、飯持ってきたぞ」
声を掛ければ結界の魔法陣がシュンと消えて
「入れ」
中から王子の声がした。
「お邪魔~」
中に入って行くと俺の後ろを見て眉間に皺を寄せる王子。
どうやらニコルが来たのが不満らしい。
が、今日はそんな王子を無視。
ベッド周りの白い絨毯を避けてカートを押しテーブルに料理を並べていく。
ソファーには夜着から着替えた王子が凭れるように座って奥の部屋へチラチラと視線を向けていた。
何か気になるのか?
「そう言えば姫さんは?」
なんて事ない質問にあからさまな反応を示す王子。
普通に戻っていた顔色が再び赤く染まっていく。
「・・・着替えてる」
ボソッと呟くと俺と視線も合わせずに横を向いた。