君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)

そんな王子の反応に興味を示したのが


「兄さん、顔が真っ赤。ダメだよ?フローラちゃんの着替えを想像したら」


阿呆ニコルだった─────

奥の部屋に向いていた視線をニコルに向けてギロリと睨む王子。

馬鹿だコイツ・・・

ただでさえ、今から王子の機嫌が悪くなるのが分かりきっているのに追い討ちを掛けるんじゃねぇよっ!

目線を泳がすニコルは


「ところでヴァイス。料理が三人分並んでいるんだけど・・・」


王子に睨まれて即座に話題を変えやがった。


「あぁ。これ、俺の分」


料理の一つに指差して言えば


「ちょっと酷くないっ?僕、ランチすっぽかして此処に居るんだけど!」


有り得ないって顔して文句を言ってきた。

まぁ、そりゃそうだろうな・・・


「お前が、一人で逃げ出そうとするからだろうが!」


文句を返せばバツの悪そうな顔をする。

いつ、あの話を切り出したらいいのか考えていると・・・


・・・カチャ


奥の部屋のドアがゆっくりと動いた。







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