君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


食事を終えて、姫さんが人数分の紅茶を入れてくれる。

ティーポットの口からコポコポと音を立てながらカップに注がれていくと
湯気が立ち上り、芳しい香りが鼻をくすぐる。

その香りを肺いっぱいに吸い込んで深呼吸を一つ。


「・・・王子」


意を決して声を掛けると俺に視線を合わせた王子。

先程より幾分機嫌は良くなったようで少しは話し易くなっただろうか・・・

隣にいるニコルをちらりと見ればニコルも俺を見ていて頷いた。


「星祭りなんだけど・・・」


今まで、星祭りの事を王子に相談した事など無かったから訝しげな顔をする王子。


「星祭りが何だ」


「えーと、その星祭りにオリビア・ザラも参加する事になって・・・」


オリビアの名前を出した途端、王子を纏う空気がガラリと変わる。

この先を言うのを躊躇っていたら


「今日の夕刻にはこっちに到着して3日間滞在予定なんだ」


ニコルがフォローしてくれた。


「・・3日間?」


ぼそりと呟いた王子の言葉には明らかに怒気が含まれていて。

3日間は何が何でも女狐を近付けないようにと心に誓った俺とニコルだった。



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