君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


眉間にはさっきよりも更に深い皺が刻まれ不快を露にしていた。

その「達」って姫さんに近付けたくない人間のオンパレードだろ・・・


「どーすんだよ・・・」


一度、豊穣の祈りの儀式が始まってしまえば終わるまで中断が出来ないから

姫さんをフォローする人間がパール嬢一人だなんて心許ない。


「あの・・・私、巫女なんて出来ません」


今まで大人しく話を聞いていた姫さんが口を開く。


「巫女なんてやらなくていい」


王子がそれに答えるが


「でも、もう人数は決まっちゃってるし衣装もフローラちゃん仕様で出来上がってるから変更はきっと無理だよ?兄さん」


ニコルがそれを否定する。


「でも、私そんな大役・・・」


姫さんは目立つ事を極端に嫌うから星祭りの巫女なんて当然やりたくないだろう。


「ん~、そんなに難しく考えなくていいと思うよ?パール達だってお祭り気分で巫女やるんだからさ。それに最初にフローラちゃんを巫女にって提案したのはパールなんだ」


「パール様が?」





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