君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「うん。最近はどっかの誰かさんのせいでフローラちゃんに会う機会が全く無くなっちゃったパールが、何とか一緒に楽しめるようにって考えたらしいよ」
パール嬢の思いがわかると、姫さんは黙ってしまった。
ニコルが言う「どっかの誰かさん」は間違いなく今、俺の目の前で眉間に深い皺を寄せて頗る機嫌が悪くなった王子で間違いなく・・・
確かに最近の姫さんは一人で部屋の外に出る事は無く、監禁状態だったから。
まぁ、狙われてるからこの対処法が一番安全なんだけど。
「確かに王子の部屋に移ってからは姫さん、まともに部屋から出てないんじゃない?」
俺の言葉に王子がピクリと反応する。
きっと、普段から気にはしていたんだろうけど安全面を考えると理解は出来る。
姫さんも、それを分かっていたから文句も言わなかったんだろうけど。
「フローラちゃん、気分転換に出てみればいいんじゃない?きっと楽しめるよ」
ニコルの言葉に顔を上げた姫さんは、にこりと笑みを浮かべて
「はい・・・せっかく私の為にパール様が準備してくれたので・・・」
やっと、巫女をやる事を決めた姫さん。
その隣で姫さんを心配そうに見つめていた王子が視界の端に映った。