君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
前を歩く二人を見ながら長い廊下を歩く。
最近は、この西棟の廊下には至る所に結界が張られていて、
通り過ぎる度に耳の奥の鼓膜が振動する。
最後の結界を通り抜けて階段を下りて行くと、二人の見張りの騎士が立っていて王子の姿を確認すると慌てて敬礼する。
それに反応する事無く通り過ぎる王子の横で、丁寧にお辞儀をしながら挨拶をする姫さんに見惚れている騎士二人。
王子はそれを知っているから、余計に人目に晒したくないんだよねぇ。
後ろの俺とニコルに気付いた騎士が再び敬礼する。
「お疲れ様」と笑顔で挨拶するニコルと手を上げて合図する俺。
「ねぇ、ヴァイス」
西棟を出て東棟に向かう途中の中庭を見ながら歩いていると
隣のニコルに声を掛けられた。
「何だ?」
俺が視線を合わせると何故かニヤニヤしている。
「兄さん、巫女の衣装見たらビックリするだろうね?」
どうやら、去年までの星祭りの衣装を思い出しているらしい。
確かに、巫女の衣装を見たらビックリするだろうよ。
「俺、知らねぇぞ?」
衣装を着た姫さんを見た王子の顔が鮮明に浮かぶんだけど・・・