君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
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あれから一眠りした俺達は7時半に目を覚まし、部屋で朝食を摂った。

10時になる少し前にフローラをパールの部屋まで送った俺は、
ヴァイスと執務室に居る。

明日は夕刻まで城を離れるから残った書類に目を通し、
星祭りの警備の打ち合わせ。

思ったよりも仕事は捗り、1時を少し過ぎた頃には終わっていた。


「今日のお仕事、終了~っ!」


書類の整理が終わったのか、自分の机にいたヴァイスが腕を上げて
「んん───っ!!」と伸びをすると立ち上がる。


「思ったより早かったな」


今日のヴァイスの仕事は結構あったから、もっと時間が掛かると思ったが・・・


「俺って、仕事が出来る男だから♪」


そう言って、俺の机の上にあったクッキーを一つ摘むと口の中に放り込んだ。


「俺のだぞ」


ヴァイスが食ったクッキーはフローラが星祭りで配る為に焼いたクッキーで、
コイツも大量に貰って食ったはず。


「いいじゃん、一つくらい」


口を尖らせて言うヴァイス。


「お前もフローラから大量に貰っただろうが。大量に!!」


“大量”を強調して言えば


「何で、クッキーを大量に貰ったって王子が知ってるんだよ?」


驚くヴァイスは目を丸くして。


「朝、聞いた」


答えた俺の言葉に「アハハ」と乾いた笑いを浮かべる。



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