君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
肩越しに振り返ると、心底楽しそうな笑みを浮かべているオリビアは
「先程、お会いしてまいりましたのよ」
耳を疑う言葉を吐いた。
「は?姫さんに会った・・・?」
固まっていた俺の横でヴァイスが返せば
「えぇ。とても魅力的な女性でしたわ・・・フローラさん」
目を細めたオリビアは口角を上げる。
「───何処で会った」
やっと出た言葉は地を這うような低い声。
この女にだけは会わせたくなかったのに・・・
拳に集まる力が暴走しないよう抑えるのに必死だった。
「中庭ですわ」
中庭?パールの部屋じゃないのか?
「行くぞ、ヴァイス」
ヴァイスに声を掛け、中庭に足を向け歩き出すと
「ほいほい。姫さんのお迎えね♪」
その後をヴァイスも着いて来る。
「それでは、また後ほどお会いしましょう」
すれ違いざまに聞こえたオリビア言葉を無視して中庭へ向かう。
俺達の後姿を見ながらクスクスと笑うオリビアは
「明日の星祭りが楽しみね」
後ろに控えていた侍女頭に話し掛けると、ゆっくりと歩き出した。