君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


肩越しに振り返ると、心底楽しそうな笑みを浮かべているオリビアは


「先程、お会いしてまいりましたのよ」


耳を疑う言葉を吐いた。


「は?姫さんに会った・・・?」


固まっていた俺の横でヴァイスが返せば


「えぇ。とても魅力的な女性でしたわ・・・フローラさん」


目を細めたオリビアは口角を上げる。


「───何処で会った」


やっと出た言葉は地を這うような低い声。

この女にだけは会わせたくなかったのに・・・

拳に集まる力が暴走しないよう抑えるのに必死だった。


「中庭ですわ」


中庭?パールの部屋じゃないのか?


「行くぞ、ヴァイス」


ヴァイスに声を掛け、中庭に足を向け歩き出すと


「ほいほい。姫さんのお迎えね♪」


その後をヴァイスも着いて来る。


「それでは、また後ほどお会いしましょう」


すれ違いざまに聞こえたオリビア言葉を無視して中庭へ向かう。


俺達の後姿を見ながらクスクスと笑うオリビアは


「明日の星祭りが楽しみね」


後ろに控えていた侍女頭に話し掛けると、ゆっくりと歩き出した。


< 284 / 393 >

この作品をシェア

pagetop