君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
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あれから少しの間、話をして帰って行ったあの女性は

ソフィ様のお母様・・・オリビア様だった。


「────はぁ・・・」


口から零れた溜め息は何回目だろう・・・


オリビア様がお城へ戻った後、私はさっきまで居た花園のベンチの上で
膝を抱えて蹲っていた。

オリビア様の言葉が頭の中をグルグルと回っている。


『ロック様のお妃候補がお一人増えるのは、王家繁栄の為にも喜ばしい事ですわ』


忘れていた訳ではないけれど、ロックは王子様で。

将来はこの国の王様になる人だから、お妃候補なんて沢山いて当たり前。


---わかってた筈なんだけどな・・・


オリビア様の言葉で現実に引き戻された感じがする。


『正妃候補は貴族や大臣の娘が既に何名か決まっています』


次期国王の正妃が貴族階級から選ばれることくらい、私でも知っている。


もう、何度目かわからない溜め息を吐いて膝に顔を埋めた────


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