君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
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(side:ロック)


「迂闊だったな」


「───あぁ」


隣から聞こえた声に同意する。


フローラが星祭りの準備でパールの部屋に行くようになってからは、二人の騎士を護衛として付けてあった。

部屋の中には入れないが、あの女が姿を見せたら報告をするよう命令してあった筈だが・・・


オリビアがフローラと接触していたにも拘らず、騎士からその連絡が無いのはどうしてだ?


思考を巡らせながら中庭に続く道を歩いていれば、有り得ない物が視界に飛び込んできた。


「王子?」


急に立ち止まった俺を不思議そうに呼ぶヴァイス。


「・・ヴァイス」


視線をソレから外さないままヴァイスに声を掛けると、足早に近付いてくる。


「どうした?」


「・・・・・」


隣に立ったヴァイスは、何も言わない俺の視線の先を辿って行くと驚きの声を上げた。


「───っ、魔法石じゃねぇかっ!!!」


「静かにしろ・・・術者に気付かれる」


魔法石はまだ発動中で紫色の光を帯びていた。


「誰が、こんな物を・・・」





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