君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


再び歩を進めた俺達は、周囲を警戒しながら中庭に続く窓を潜る。


「おい」


隣を歩くヴァイスに声を掛けると


「何だ?」


返事をしたヴァイスは視線を俺に向けた。


「明日の警備を怠るなよ」


竜騎士団の警備に釘を刺せば


「竜で戦える相手ならいいんだけどねぇ・・・」


頼りなさそうな返事が返ってくる。

竜騎士団の騎士達もある程度の魔法は使えるが、強い術者との戦いには向いていない。

魔法よりも剣術に長けている騎士団。

この警備に俺の結界で、どれ程の効果があるかはわからないが・・・

オリビアの様子からして、俺達の留守中に何か企んでいるに違いない。


「────ヴァイス」


警備の事でも考えていたのか、難しい顔をしていたヴァイス。

その目の前に、魔法封じの袋を差し出す。


「え・・魔法石!?」


それを受け取って中身を確認したヴァイスは眼を大きく見開いた。

ヴァイスに渡したそれは俺の魔法石。

コイツが驚くのも無理は無い。

渡したのは普通の大きさの倍はある球体の珍しい石。


「これは俺の魔法石だ。何かあったらコレを使え」


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