君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「フローラ」
名前を呼びながら進んで行くが、反応は無い。
「フローラ?」
もう一度名前を呼んでみたけれどピクリとも動かない・・・
---寝てるのか?
傍に行き片膝をついて覗き込めば、耳に届いてくるのはスースーと定期的に聞こえてくる寝息。
何事も無かった事にホッと息をついていれば
「姫さん、寝てるのか?」
隣からひょっこり顔を出してきたヴァイス。
「・・・みたいだな」
此処は適度に風が流れていて、強い日差しも木々が避けてくれるから昼寝をするには最適の場所で。
だが、このまま此処に置いて行くわけにはいかない。
未だに目を覚まさないフローラの膝の下に手を差し込んで抱き上げると、サラサラとプラチナブロンドの髪が流れて寝顔が見えた。
気持ち良さそうに寝ている彼女に頬が緩む。
「ほんと、すげぇよなぁ・・・」
覗き込んで、俺の顔をマジマジと見ているヴァイス。
「何がだ」
何が凄いんだ?
ヴァイスの顔を見返せば、何故か満面の笑みで。