君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
<風の精霊よ 我が身を守る風の障壁となれ>
ゴゴゴゴゴォーーーー
大地を揺らすほどの風が轟音と共に巻き起こり、自分と炎の間に壁ができる。
「大丈夫・・・じゃないわね」
頭上から掛けられた声にハッとして、迫ってくる炎へ向けていた意識を戻す。
ふわりと舞い降りて目の前に現れたのは、自分と同じくらいの少女だった。
「動けそうにないから、このまま移動するよ」
そう言うと 俺の首の後ろに腕を回して固定する。
ちょっと待て! と言いたいけれど、背中を強打したせいか声が出なかった。
「何か言いたそうだけど話は後ね。グズグズしてたら丸焦げになっちゃう」
苦笑いしながら首に回した腕と反対の掌を地面にそっとおく。
<大地の精霊よ 異界の扉を開き 我らを導きたまえ>
ズズッ・・・と地面に亀裂が入ると、そこから眩いばかりの光が現れ、自分と少女の周りを囲み始めたところで俺の意識は途絶えた・・・