君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「・・・何だ?」


明らかに他の巫女と衣装が違う。

パール嬢達は毎年のデザインと同じ様な衣装なのに、姫さんの衣装は・・・

ボディラインがはっきりとわかるピッタリとした白のドレスで、太腿まで入っている両側のスリット。


「おいおい・・・」


---生足が丸見えじゃねぇのよ


この衣装を姫さんに着せたヤツ、王子に殺されるぞ・・・

それに、あのヘッド・ティアラ。

今、姫さんがつけているのはバラを象った真紅の石。
確か、あれは≪アフロディーテのティアラ≫だ。
何で、そんなモノを?
だって、あれは・・・


「もしかしなくても、ヤバイ・・かも?」


途轍もなく嫌な予感しかしないんだけど。

次の瞬間には、祭壇に向かって全速力で走り出すが、例年よりも多い人々が壁になり、思うように進まない。

俺がモタついている間に、姫さんは祭壇の前で跪き、祈りを捧げていた。


---ヤバイ、ヤバイ、ヤバイッ!!!


≪アフロディーテのティアラ≫を身に着けて祈りなんて捧げちまったら・・・

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