君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「結果的には、一番知られたくなかった相手に既に知られた後で、利用されかかっているけどね・・」


ニコルの言葉に、益々焦りが募る。

王子もこんな状態じゃ、いつ動けるようになるのかわからない。
俺達だけでどこまでオリビアを追跡できるか・・・


「そんな事はさせぬ。」


低く唸った声を上げたのは人狼。

そう言えば、この人狼と姫さんの関係って?


「人狼の君とフローラちゃんの関係って?」


同じ疑問を感じていたのか、先に口を開いたのはニコルだった。


「我は・・・「───シエル」」


答えようとした人狼の言葉を遮ったのは・・・


「王子っ!」


「ロック様!」


「兄さんっ!」


さっきまで生死の淵を彷徨っていた筈の王子の声だった───

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