君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
---いないか・・・
結局、暫く探し回ってもフローラの姿を確認する事は出来なかった。
---もう、この世界には来ていないのかもしれないな
辺りを見回してみるが・・・
「それにしても、これは酷いな」
あの美しい丘は、無残な姿に変わり果てていた。
その場を離れて辺りを探索しながら丘を歩いていれば、少し先にキラリと光る何かが視界の端に映る。
---何だ?
急いで近寄って光る物を覗き込めば、いつか俺が飴玉と間違えて飲み込んだ世界樹とやらの種だった。
---何で、こんな所に転がってるんだ?
「この種だけは光を失わずに此処にあったのか・・・」
種を手にして立ち上がり、目の前にある巨大な樹を見上げる。
---これが世界樹・・・?
生命力が漲っている筈の幹は干乾びていて。
他にも種があるかもしれないと探していたが、落ちているのは枯れ葉だけだった。