君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「何故、お前はフローラを助けに行かないんだ」


疑問を口にすれば


「我の力は、まだ眠りについたままなのだ。
目覚めるには、まだ少しの猶予が必要でな。
口惜しいが、今はお主に任せるより他無い」


フローラに呼ばれて、途中で目覚めただけのシエルは、力を出せる状態にないと言う。

それにしても・・・

狼だと思って油断していた。


「シエル。お前、人型になれたのか・・・」


シエルの後ろを歩いて尋ねれば


「無論だ。人狼だからな」


俺にだけ聞こえるように呟いた。


---こいつが人狼だったなんて、今初めて知ったんだがな。

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