君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「花・・・嫁?」
耳が捉えたシエルの言葉に足が止まる。
端正な横顔が満月の光に照らされて、俺に視線を向けたシエルが口を開いた。
「あぁ、そうだ」
冗談を言うようには見えないが
「それは、フローラも承諾している話なのか?」
今迄の俺に対するフローラの態度を見ていても、決まった相手がいるとは思えなかった。
「否。フローラは我が人型になれる事も知らぬ。
だが、我を受け入れるのも時間の問題だ」
シエルの、この自信は何処から来るんだ?
まるで、フローラが花嫁になる事を拒まないような言い方をする。
「何故、そう思う?」
「我ら人狼は人間よりも寿命が長い。
そして、恐らくフローラの寿命も人間である、お主よりも遥かに長い」