君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「お前は、寿命が長いからと言う理由だけで、フローラを花嫁にするのか?」


シエルの言葉に、思わず眉間を寄せる。


「無論、それだけではないが、それも魅力の一つだ。
我ら人狼の数は減退の一途を辿っていて、同じ種族から伴侶を選ぶのは少ない。
だからと言って、誰でも良いわけではないから伴侶選びが難しいのだ。
それなりの能力を宿した者でなければ、人狼の子を産む事が出来ぬからな」


「それはお前達、人狼の問題だろ。
それをフローラに押し付けるな」


フローラの能力だけを必要としているように聞こえる人狼の言葉に怒りを覚えた。


「そうだな。だが・・・少なくともお主では、この先フローラを娶る事も守る事は出来ぬと思うがな」


「どういう意味だ。」


風が吹く度に瑠璃色が靡いて、俺を捉えていたシエルの瞳が妖艶に光っていた。

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