君の瞳に囚われて（加筆・修正しながら更新中）

「さて、どうするか・・・」


フローラが見つからない。

手にしていた世界樹の種を思い切り握り締めた俺は、一度フローラの家に戻る事にした。


注意深く辺りを見回して、かなりの距離を歩き回ったのに精霊にすら全くと言っていいほど出会わない。

フローラと此処で会っていた時は、野生の動物の他にも、かなりの数の精霊を目にしていた筈なのに。

まるで、この世界の生物が全滅してしまったかのような変化に戸惑いながらも、フローラの家に着き、再びノックをしてみる。

中の反応を待っていたが、やはり出ない。


「・・・・・」


少し躊躇したが、中を確認したかった俺は


・・・ドゴォォーン


鍵は元々持っていないので、渾身の力でドアを蹴破った。


－－－フローラごめん！　後で直すから。


心の中で謝って、家の中へと一歩を踏み入れた。