君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
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で・・・只今、王子の部屋の前でニコルと仲良く並んでいるわけだけど。


問題は・・・


「ねぇ、ヴァイス」


「何だ~?」


「兄さん、いつ出発するのかな・・・」


「俺がわかるわけねぇだろ?」


「・・・だよね」


王子が、いつ姫さんを助けに出発しちまうのかがわからない事だった。

一緒について行く事を考えれば、今のうちに俺の荷造りもしなきゃいけないわけで。

何か良い案はないかと思考を巡らせていれば、ふと目に付いた隣りのニコル。


「・・・・・」


「・・・な、何?」


俺のニヤリとした笑みに、一瞬たじろいだニコルが引き攣った顔で聞いてくる。


「俺、血だらけだし、ちょっと部屋に戻って風呂入ってくるから、もし王子が出て来たら教えてくれよ」


「お風呂? いいけど・・・」


何だ、そんな事かと息を吐くニコルに背を向けて


「んじゃ、よろしく~」


手をヒラヒラさせて歩き出した俺は、自分の部屋に戻ると慌てて荷造りをしたのだった。




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