君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「さて、俺も支度をしてこようかな・・・」
凭れていた壁から背を離すと「うーん」と伸びをしたニコルが可笑しな事を言い出した。
「は? お前も行くのか?!」
驚きで裏返った声になった俺に、にこりと微笑んだニコルからは
「当然でしょ。あの女狐には、俺も酷い目に合わされたからね。
やられた分、やり返さないと気がすまない」
闇魔法よりも、どす黒いオーラが発せられていた。
「あ、そう・・・」
「じゃあ、兄さんが出て来たら教えてよ。
俺を置いて行ったら許さないからね?」
念を押して自室に戻って行くニコルに、苦笑いを浮かべて手を振る。
---もし、置いて行ったら末代まで祟られそうだな・・・