君の瞳に囚われて（加筆・修正しながら更新中）
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ニコルが部屋に戻ってから１時間が経過しようとしているが、一向に部屋から出て来る気配の無い王子。


－－－ニコルも戻って来ねぇし・・・


座ってるのにも疲れた俺は立ち上がると、ストレッチをして体をほぐす。


－－－大体、この鎧メチャクチャ重いんだよっ！！


ガーランドの騎士が身に着けている全ての鎧には、防御魔法が施されていてある程度の攻撃魔法を跳ね返す。

身の安全を守る為なのはわかっているけど、肩がこるんだよねぇ・・・

肩をぐりんぐりん回していると、鎧の音がガチャガチャと煩い。

その音に混じって薄暗い廊下の向こうから聞こえてきた靴音に視線を向ければ、ニコルが姿を現した。


「遅ぇよ！」


「君よりは早かったと思うけど？」


遅いと文句を言えば、目を細めるニコル。

「そうだっけ？」と惚けて苦笑いを向ければ


「兄さんは、まだ？」


溜め息を吐いて王子の部屋の扉へと視線を向ける。


「あぁ、まだ出て来る気配は無・・・」


そこまで言って、魔法陣の変化に気がついた。


「やべぇ・・・」


「は？」


状況を理解していないニコルが、眉間を寄せる。


「よく、見てみろ！　さっきまで火花を散らしていた魔法陣が通常の状態に戻ってるだろ？
王子が部屋から出たかもしれねぇ・・・」


「何で、今頃気づくかな・・・」


床に置いてあった荷物を掴むと、ニコルと慌てて城の中庭へと向かった。

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