君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


一度閉じた瞳を開ければ、空の暗闇を切り裂いて一本の淡い光が伸びていた。


「見えた・・・」


闇に包まれた特定の人物を探し出す事は困難でも、自分の魔法の光を探し出す事は出来る。

俺がガーランドを離れる時、フローラに掛けた守護の魔法。

その細い線は、未だ、その光を体内に宿したフローラの居場所を教える。


---この光の先に、フローラがいる。


「待ってろ、フローラ。必ず助け出す・・・」


拳を握り締め、光の先を見据える。

部屋に戻った俺は、出発の準備を終えるとバルコニーから中庭へと急いだ。


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