君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「お前達・・・」


二人の格好を見れば「どうして、此処に?」なんて聞かなくても、俺と一緒に行こうとしているのは明確で。


「一人で行くなんて、水臭ぇじゃねぇのよ?」


ヴァイスの口角が、悪戯っぽくゆっくりと上がれば


「一人で乗り込むなんて、無謀すぎるでしょ」


隣のニコルの呆れた顔が視界に映る。

気持ちは嬉しいがそんな事は出来ないから、二人に向き合って口を開く。


「お前達が此処を離れるわけには、いかないだろ。
ヴァイスは竜騎士団の団長としての仕事があるし、ニコルは時期国王として身を危険に晒すなんてどうかしてる」


そんな俺の言葉に


「王子にしては饒舌だな。びっくりだ・・・」


態とらしく驚いた表情を見せるヴァイスは、最早、行く気満々で城に残ろうなんて考えはないらしい。


< 364 / 393 >

この作品をシェア

pagetop