君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
ある程度の数は用意されていると予測したところで
「んじゃ、まぁ、取り敢えず・・・」
お嬢さんに着けている手綱を片手で持って、詰めて来た荷物をガサゴソする俺。
「何してるんだい? ヴァイス」
俺の肩越しに覗き込んで来るニコルは、不思議そうな顔をする。
「あ? 敵の数がそれなりにいるとわかれば、今の内に腹ごしらえしとくに決まってんだろ」
袋から取り出した干し肉を口に放り込めば
「まだ、出発したばかりだよね? 今から食べちゃったら、フローラちゃんの所に辿り着く前に食料なくなっちゃうんじゃないの?」
眉根を寄せて口を挟んでくる。
「無くなったら、何処かで調達すればいいだけの事だろ~?」
元々、こんなもんで足りるとも思ってねぇし。
間違った事は言ってねぇ筈なのに
「ヴァイス・・・君、バカなの?」
「あ゛?」
ニコルにバカ呼ばわりされた。
「あのさぁ? 今、何しに行ってるんだっけ?」