君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
何しに・・・って
「んなの、姫さん救出に決まってんだろうが! お前こそバカになっちまったのか?」
わかり切った事を聞いてくるニコルに言葉を返せば、何故かヤツの蟀谷(こめかみ)には青筋がピクピクしていて・・・
怒ってる?
「それがわかってるなら、食料の調達なんて時間が無い事もわかってるよねぇ?」
「え?」
「フローラちゃんが、今、どんな状況に置かれてるかもわからないのに、あの兄さんが待ってくれるとでも思ってるの?」
「あ・・・」
「わかった? 敵地に到着する前に、竜騎士団の団長が餓死したなんて噂が広まったら恥ずかしいんだから、ちゃんと分量を計算して食べなよね!」
ヤツの言葉にこくりと頷けば、俺の荷物を纏め始めたニコル。
「じゃあ、聞くが・・・
いつになったら敵地に着くんだよ?」
「さぁ? 俺が知るわけないでしょ?」
しれっと言うニコルに、怒りが込み上げる。
「おい! いつ着くのかわからなきゃ、計算出来ねぇだろうが!!」
大声で怒鳴れば、両耳に人差し指を突っ込んで
「うるさいなぁ。俺じゃわからないんだから、兄さんに聞いてよ」
嫌そうに顔を歪めるニコル。