君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「くそっ!! このままじゃ、思うように進めねぇじゃんか!」


文句を言いながらも、飛んでくる矢を剣で払い落としていれば


『我が手に宿りし力を解き放ち 見えざる光の障壁となれ』


耳に届いた詠唱と共に、あれだけ飛んできていた矢がピタリと届かなくなった。

周囲を確認すれば、俺達と敵との間には何か壁が出来たようで。

飛んでくる矢は俺達の数メートル手前で、何かに当たって落ちていく。


「王子か・・・」


ちらりと視線を流せば、涼しい顔して既に次の魔法を発動させようとしているのか詠唱を唱え始めていた。


---何で、あんなにポンポン魔法が出せるんだよ?


俺達が魔法を一つ発動させるには、1キロの距離を全速力で走りぬけるくらいの体力を消費する。

あんな、立て続けに魔法を発動させていたら直ぐに立ち上がれなくなっちまう。



ニコルも王子の守りに気づいたのか、矢が飛んでこない事を確認してから、手にしていたライトニング・ボールを矢の飛んでくる方向に投げつける。


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