君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
バリバリと音を立てて、勢いよく茂みに放たれたライトニング・ボールは草木を瞬時に灰に変える。
「ぎゃあぁぁぁ───っ!!!」
敵の断末魔が聞こえたが、姿を確認する前に灰と化した。
相変わらず、遠慮の無い魔法を繰り出すニコル。
絶対にコイツと王子だけは敵に回したくない。
「おい、ニコル! 一人ぐらいは生かしておけよ!!」
先に言っておかないと、こいつなら手当たり次第に殺しかねない。
「君に言われなくても、わかってるよ!」
俺に言われた事に腹を立てたのか、苛立たしげに答えたニコルだけど・・・
---コイツ、絶対にわかってなかったぞ!
その言葉とは裏腹に、ニコルが手にしているもう一つのライトニング・ボールは、今投げたものよりも3倍はデカイ。
コイツ、面倒臭くて一気に片を付けようとしたな?