君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


男と剣を交えれば、甲高い金属音が辺りに響き渡る。


「・・・くっ!」


俺の攻撃を受け止めるのが精一杯だった男は、剣から伝わる振動に顔を歪めた。

ギリギリと、剣同士の擦れ合う音が耳につく。


「大人しく降参しねぇと、お前も仲間と同じ運命になるぜ?」


俺達を避けて続いている、王子とニコルの攻撃は容赦がなかった。

敵を倒そうとしているんだか、山をぶっ壊そうとしてるんだか判らないほどの破壊力は絶大で。


---二人とも、ストレスでも溜まってたのか・・・?


思わず、そう思ってしまうほど攻撃魔法をぶっ放していた。

俺の指摘に、横を通り過ぎるファイアーボールを視界に捉えた男の口からは「ひぃっ!」と、小さな悲鳴が漏れる。


気がつけば、辺り一面は焼け野原になっていて、敵は指揮を執っていたこの男しか残っていない。


「で? どうする? 大人しく、降参するか?」


口角を上げて男に尋ねれば


「わかった! 降参・・・降参します!」


ブンブンと首を縦に振って、交えていた剣を手放して降参を示す。


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