君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
地面に落ちた剣を足で蹴飛ばして、ニコルの方へと滑らせる。
足元に届いたそれを、ニコルが手にしたのを確認してから男の首に剣先を向けた。
「んじゃ、とっとと吐いてもらおうか。誰に頼まれた?」
時間もないから、ストレートに聞けば
「名前は知らねぇ・・・」
「あ?」
「だから、名前は知らねぇんだよ!」
「おい。本気で言ってるんじゃねぇだろうな?」
ふざけた事を言い出しやがった。
「本当さ。あのお方は、呪いの術を掛けられたりしないように自分の名前は絶対に明かさねぇんだ」
「・・・あのお方?」
俺の言葉に、視線を合わせた男。
「俺達の頭領さ」
「頭領? あの黒いローブを被った赤髪の男か?」
コイツは雇われた傭兵なんかじゃなくて、あの男の仲間か!
俺に向けていた視線を王子に移した男は
「あぁ、そうだ。もうすぐ、この世界はあのお方の物になる」
にやりと、意味深な笑みを浮かべた。