君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
確認するような王子の言葉に、一瞬目を見開いた男は意外だとでも言いたそうな顔をする。
それとは反対に、男の言葉を聞いた王子は眉間の皺を深く寄せると
「だから、あの男は執拗にフローラを狙っていたのか・・・」
苦々しげに言葉を吐き出した。
「あぁ、そうさ」
その言葉に、ニヤリと笑みを浮かべて頷く男だったが
「あんた、仮にもガーランドなんて大国の王子だろ?
そこまで完璧に世界を手に入れる方法を知っていて、その鍵であるあの女を手元に置いているくせに・・・」
「何が言いたい?」
「何で、世界を手に入れようとしないんだ?」
訝しげに王子を見上げる。
「俺は、フローラを犠牲にしてまで世界を手に入れたいとは思わない」
男に鋭い視線を向けたままの王子は、素直な気持ちを口にしたが、その言葉を聞いた男は
「俺には、理解出来ねぇな」
呆れたように口を開いた。