君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
地下神殿
◇
蝙蝠に似た大きな羽を羽ばたかせ、連なった二匹の竜が大空を駆け抜ける。
あれから一昼夜、ほとんど休みなく飛び続けている俺たち。
そんな中・・・
「ねぇ、君のワイバーン遅れてない?」
「あ?」
「だ・か・ら、兄さんのヴィーヴルより遅いんじゃない?って言ってんの!」
俺の背後からひょっこりと顔を覗かせて、文句を言い始めたニコル。
「・・・・・・」
「本来ならワイバーンが先導していなきゃいけないのに、なんで道案内を連れていないヴィーヴルが先に行っちゃってるのさ?」
それは、俺も気になっていたけどっ!!
「・・・一人乗りのワイバーンに三人も乗ってるんだから、遅くて当然だろうがっ!」
お嬢さんが王子のヴィーヴルよりも遅れているのは、間違いなく重量オーバーのせいだ。
決して、普段のお嬢さんが遅いというわけじゃない。