君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
ヴァイス
◇
(side:ヴァイス)
「ふぁ~~ぁ」
---眠ぃ・・・
まだ、日の出前の早朝。
欠伸をしながら部屋を出れば
「団長! お待ちしておりました」
朝日も昇らない薄闇の中、竜騎士団副団長のレイが声を掛けてくる。
「おいおい~。何だって、こんな時間に男に呼び出されにゃならんのよ~?」
肩をコキコキ鳴らしながら、隣にいるレイに悪態をついてみた。
「も、申し訳ございません!!」
ペコペコと、頭を下げて謝ってくるレイを横目で見ながら目的地へ向かう。
---コイツ、こんなんでよく副団長が務まってるよなぁ・・・
生真面目で、見た目はお坊ちゃま。
とてもじゃないけど、長剣を振り回すような奴には見えない。
体だって細いのに、厳ついヤツがゴロゴロいる中で決して力負けしていないレイ。
まぁ、竜騎士団の中でも力があるから副団長にまでなれたんだけどねぇ・・・
「なぁ、なぁ?」
「何でしょうか?」
そのレイの横顔を見ていれば、ある事を思いついて声を掛けてみる。
「今度さ、女装してみねぇ?」
「は?」
何言ってんだ!? って目で俺を見るレイ
---ぷっ! 面白ぇ顔・・・