君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


ワイバーンを出すと言った俺に、レイが駆け寄ってくる。


「ロック様に、ご報告は?」


「あ~・・・王子には、言わなくて良いや」


竜騎士団の最高指揮者である王子に、報告しなくて良いと言った俺にレイは驚く。


「えっ!? ですが・・・」


「取り敢えずは様子を見てくる。王子は、最近特に眠れないらしいからな・・・
体も心配だから、報告は確認してからでいいでしょ」


ここ最近の王子は、特に酷い寝不足で城の者なら誰もが知っていた。


「わかりました」


俺の考えを理解したのか、こくりと頷くレイ。

それを視界の端に捉えて、レイと数人の部下を連れてワイバーンの元へと移動する。

ワイバーンは俺達、竜騎士団にとって掛け替えのない仲間だ。

翼竜は騎士団の足となり、共に戦う。

このワイバーンは鱗がなく、肌はサイに似ている。
小さめで小回りが利くので、竜騎士団では馬の代わりに使われていた。


「ピィーッ!!!」


城の隣の崖に向かって指笛を鳴らせば『キュルル』と、鳥のような鳴き声をあげて飛んでくる。



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