君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
◇
一通り黒い霧の周りを調べた後、城に戻って来た俺達は騎士宿舎に集まっていた。
「ん~。どうすっか・・・?」
近くを飛んでみたけど、黒い霧に動きは無く・・・
森の様子も、変化は見られなかった。
「害があるのかも分からないので、暫くは監視するしかないでしょうね」
これと言った情報も得られず、落胆の溜め息を吐くレイ。
「・・・だな。って事で、見張りは目ん玉見開いて、よ~く見とけよ~?」
引き続き監視する事で話はまとまり「んじゃ、解散~!!」と声を掛けて宿舎を出れば・・・
真っ青な空には鳥が囀り、清々しい風が吹いていた。
---もう朝じゃん!!!
道理で、腹が鳴るはずだ。
腹が減った俺は、王子の部屋に行く前に厨房へ寄る事にして歩き出した。
「ヴァイス!!」
城の廊下を歩いていたら、後ろから声を掛けられた。
「ん? おぉー。おはようさん、姫君」
振り返ってみれば、王子の妹のパールだった。
「おはよう。また厨房に行こうとしてたわね?」