君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「う~ん。じゃあ、執務室に行って麗しのロック王子に騎士団の報告をしてから行くわ~」
仕方がない。料理長の新作は、また明日のお楽しみにとっておこう・・・
「ロックお兄様? そう言えば、まだお部屋から出ていらしていないみたいだわ。もうこんな時間なのに・・・」
時計を見れば、時刻は朝の9時を回っていて。
「はっ!? まだ出てきてね~の? いつもなら、既に執務室に入ってる時間だろ?」
王子は眠れなくて、遅くても6時には起きていると言っていた。
「えぇ。でも、ルイスが部屋を覗いた時にはお兄様はまだ寝ていらしたそうよ?
このところ殆ど眠れなかったらしいから、ルイスも起こさずに部屋を出たって言ってたわ」
---王子が、この時間まで寝ている?
「マジで!? んじゃ、俺は王子の部屋へ寄ってみるから、王女ちゃんは先に行っててよ」
いつもと違う王子の行動に、一抹の不安を覚えた俺は
「わかったわ。早く来てよ! 待ってるから!!」
パールに軽く手を振って、足早に王子の部屋へと向かった。