君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


「入って来るなっ!!!!」


俺の部屋に無断で足を踏み入れたヤツにそう怒鳴りながら、見えないようにとフローラの頭までをシーツで覆う。


「へっ!?」


そんな俺の大声に驚いたのか、ビクつくヴァイスは目を見開いて一瞬立ち止まったが


「ちょっと。どうしたんだよ~? 珍しく、お寝坊している王子様の様子を見に来てやったってのにぃ~」


再び歩を進めて近付いて来た。


「こっちに来るなっ!!!」


焦っている俺の口からは、来るなって言葉以外が出てこなくて。


それをコイツが聞く筈もなく。


「な~に、朝からご立腹なわ・・・け?」


もう目の前に来ちまった・・・


「・・・・・・」


「・・・・・・」


異変に気づいたのか、無言で俺を見下ろしているヤツの目は最大限に見開かれていて、口も半開き。

ヴァイスの目は、シーツの膨らみに釘付けになっていて・・・


「ねぇ・・・? ロックさん・・・?」


「何だよ・・・」


---ダメだ・・・頭までシーツで覆った筈なのに、長いプラチナブロンドの髪が見えて隠しきれていなかった。


< 51 / 393 >

この作品をシェア

pagetop