君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


腕の中で、モゾモゾと動き出したフローラに焦る俺。


---頼むから今は起きないでくれ! 今、起きたらコイツに裸を見られちまう!


無意識にフローラを抱きしめる腕に、力を込める。


「マジか・・・」


俺の腕の中から有り得ない女の声が聞こえて、呆然とするヴァイス。


「・・・すぅ」


そんな中、どうやらフローラはまだ寝てくれているらしい・・・

ホッと息を吐いたのも束の間。

フローラの寝息に気を取られていた俺は、ヤツの忍び寄る手に気が付くのが遅れた。


徐に伸びてきた手は真っ白いシーツを掴むと、勢いよく引き上げる。


「嘘だろ・・・?」


---コイツ!! シーツを捲りやがった!!!


バサッと音が鳴るほどの勢いでシーツを取り返して、瞬時に肩までをシーツで隠す。


「何してんだ てめぇ・・・」


ヴァイスの予想外の行動に、俺の口からは地を這うような低い声が出た。


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