君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)
「まぁ、そう言うな 皆もお前の大切なお客人が気になって仕方ないのだろう」
「初めてですものね ロックお兄様が女性をエスコートしているなんて」
「見世物じゃない」
「まぁまぁ・・・機嫌直して 王子の虫の居所が悪いから誰も話し掛けてこねぇじゃねぇの」
まぁ 今、話し掛けられてもこの王子様は無視すんだろうけど・・・と言うヴァイスの言葉は聞き流した。
腕の服をキュッと掴まれる感覚に目をやればフローラが不安そうな顔をして ある一点を見詰めている。
「どうした?」
優しく声を掛ければハッとしてこちらに目を向ける
「あ・・・ごめんね」
服の皺を気にして謝るフローラ
「何か気になることでもあったのか?」
先程までフローラが向けていた視線の先を追ってみるが特に何もなく
「強い視線を感じたと思ったんだけど・・・気のせいだったみたい」
「そうか・・・何か気になる事があれば 直ぐに言えよ?」
「うん ありがとう」
先程までの不安な表情から にこりと微笑んだフローラにホッとする