温め直したら、甘くなりました
初めての婦人警官
「――二階堂集、下着泥棒の現行犯で逮捕する!」
「見逃してよ婦警さん……そうだ、盗んだ下着は返すから、代わりに婦警さんの下着を……」
「馬鹿。……ねえ集、似合いすぎて気持ち悪い。本物の下着泥棒みたいよ」
寝室のベッドの上で、私たちは遊んでいた。なにして遊んでるかと聞かれると困るんだけど……しいて言えば、けいどろ?
安西さんのくれたプレゼントの中身は、バラエティに富んだコスプレ衣装の数々だった。
色々試しに着ているうちに気分が乗ってきて、今私はミニスカートの婦人警官に扮して目の前の下着泥棒(私の真っ赤なショーツを頭からかぶるという名演技をしてみせた集)を取り締まったところだ。
彼に手錠(これもコスプレセットに含まれていた)をかけて、これから事情聴取をしようというところ。
「――これが初めてじゃないわよね?どうして盗ってしまうの?立派な犯罪だということは理解しているわよね」
「はい……でも気づいたら手が勝手に。いつもそうなんです。……俺は異常なんでしょうか?」
自分の性癖に戸惑っているのか頼りない声を出す犯人に、婦警になりきった私の良心がちくちくと痛んだ。
悪い子じゃないみたい……どうしよう、見逃してあげてもいいかな。
※あくまで遊びだからであって、本物の下着泥棒には嫌悪感しか感じないわよ、念のため。