温め直したら、甘くなりました
「どうすればその癖が直ると思う……?」
「わからない。でも、俺には恋人もいないし、欲求不満なんだと思います。」
「恋人、いないの?」
「いません……だから生身の女の人に触れたことがなくて、変な想像ばかり膨らんでしまって……」
「可哀想。よく見るときみって素敵な顔してるのに……」
集の眼鏡を取って、私はその頬をゆっくりと撫でた。
ファーストキスの再現の時も思ったけれど、コスプレ効果は本当にすごい。
私はすっかり婦警の自分に酔い、目の前の下着泥棒とよからぬ関係になろうとしていた。
「……手錠、取ってくれますか」
至近距離で見つめ合っていると、集がそう懇願する。
「いいわ」
この子は極悪犯じゃない、そう判断した私は言われた通りに手錠を外してやった。
すると集が口元を歪めて不敵に笑ったので、私の背筋に寒気が走る。
「……甘いよ、婦警さん」
「なっ……!?」
気が付くと、彼は自分を捕えていた手錠で私の両手を後ろ手に拘束していて、自由になった手で私の肩を押してベッドに倒した。