温め直したら、甘くなりました
ぐるりと公園内を見渡し、適当な茂みがないか探す俺。
でも、その場所を見つける前に茜が俺にのしかかってきた。
「茜、ちょっと待て。茜の気持ちは分かった。ここでしたいのは山々だが、雨が降っているとはいえまだ昼間だ……落ち着いて然るべき場所を……」
「んん……」
……?
茜の様子がおかしい。
くたりと俺に体重を預けた身体は、別に興奮してるから熱いというわけじゃなさそうだ。
吐き出す息も、熱くて荒くて……まるで熱があるみたいな――――
「きゅ、救急車!!」
俺はじっとりと濡れたジーンズのポケットから携帯を取り出す。
安西に言われて最新のやつにしておいてよかった。なんたって防水機能付きだぞ。雨の中花見をすることを見越してそんな機能を付けたメーカーには頭が下がる。
……と、そんなことはどうでもいい!
俺の大切な茜が……!!