温め直したら、甘くなりました
「うま。苺とあんこが合うなんて、誰が最初に考え付いたんだろうなー」
「さあねぇ。色んな和菓子屋さんがうちが元祖だと主張しているらしいけど、真相はわからないらしいわ」
お気に入りのほうじ茶を入れて、聖司の前にコトリと湯飲みを置いた。
自分の分も入れていそいそと聖司の隣に座ると、私も苺大福をぱくりとかじった。
「うーん、我ながら上出来」
微笑みながら口に付いた粉を指で拭っていると、聖司の視線を感じた。
「……なによ」
「いや、食いしんぼなとこは昔っから変わってねぇなと思ってさ」
「……だから料理屋なんてやってるんじゃない」
「まあ、そうだけど……それだけじゃなくて、おじさんとおばさんのことがあるから、こんなに頑張ってるんだろ?」
聖司がそう言って、ずず、とお茶をすすった。