温め直したら、甘くなりました
しかし口で納得しないならどうやって証明すればいいのだろう?
茜に証明してもらうのが一番だが、茜が他人の前で
「私は世界の誰より集が好きよ(はぁと)」
なんて言うわけがないし……
「あ」
考えているうちに俺は、最高の証明を思いついた。
絶対に茜は俺の方が好きだと簡単に解る方法を――――。
俺は不敵な笑みを浮かべながら片山聖司に近づき、こう言った。
「……さっきの逆をやらせてもらう。俺と茜のキスをそこで見ていろ」
「ちょ、ちょっと待ってよ集!私はそんなことやるとは一言も……!!」
今まで俺と片山聖司のやりとりをただ眺めていただけの茜が急に取り乱した姿を見て、俺はさらに確信を深めた。
茜は俺のキスに溺れる自分を他人に見られたくなくて慌てているのだ。
可愛い茜。俺がすぐ天国へ連れて行ってやる。
俺はわざとゆっくりと眼鏡を外し、茜を見た。彼女はこの仕草に滅法弱い。
だってほら、唇が半開きになって、潤んだ瞳からは色気がだだ漏れだ。
「よく見てろ、幼なじみ。これが夫婦愛のなせる業だ」
俺はそう言い放ち、茜の顔を両手で包みこむとその小さな唇を塞いだ。