温め直したら、甘くなりました
うちのお風呂場は、二人で同時に使ってもなんら不自由のないくらいの広さがある。
私たちはまるで銭湯みたいに椅子を横に二つ並べて、それぞれ自分の髪から洗い始めた。
シャンプーを泡立てているときにふと隣の集を見ると、髪の短い彼はもう洗い流す作業に入っていて、目を閉じて頭からシャワーをかける姿に、私はしばらく見とれてしまった。
眼鏡なしバージョンで、しかも髪が濡れている集はこの上なくセクシーで、思わずごくりと喉を鳴らしてしまう。
お花見の時も濡れてたけど、今はお互いに裸だし。欲求が素直に身体と心に現れる。
――集に、触れたい。
私は長い髪についた泡を落とすのももどかしくて、せわしなくシャワーを浴びると隣で呑気にボディタオルを泡立てている集の手からそれを奪った。
「……私が洗ってあげるわ」
ボディタオルをしごいてたっぷりの泡を手に乗せると、私は集の傍らにひざまづいた。
見上げた彼の表情には、驚きと期待が入り交じっていた。